2026年9月16日、ベトナム国家銀行(SBV)は公文書8509/NHNN-CSTT号を発出し、2026年に限り、ホテルやリゾートなど観光関連向け融資の残高増加分を、不動産向け信用の伸びを管理する際の計算から除外すると金融機関に通知しました。
公文書8509号の主な内容
VnEconomyやVietstockによると、SBVが金融機関宛てに出した公文書8509/NHNN-CSTT号は、2026年1月1日から12月31日までの期間、レストラン・ホテル・観光地・エコツーリズム・リゾート施設向け融資の(2025年末比の)残高増加分を、不動産向け信用の伸びを管理する際の計算に含めないと定めています。対象となるのは、ベトインバンク(CTG)、アグリバンク、BIDV(BID)、サコムバンク(STB)、テクコムバンク(TCB)、ACB、VPバンク(VPB)、サイゴン・ハノイ商業銀行(SHB)、VIB、LPバンク(LPB)、TPバンク(TPB)などを含む25の金融機関です。
総枠は据え置き、配分を「方向づけ」
この措置は、不動産向け信用の総枠そのものを引き上げるものではなく、計算方法を調整することで観光関連分野への融資余地を確保する技術的な変更です。CafeFは9月19日、SBVの対応を「nắn dòng(資金の流れを方向づける)」と表現し、不動産向け信用全体への管理は維持しつつ、社会住宅・工業団地・輸出加工区や観光インフラといった政策上の優先分野へ資金を振り向ける狙いがあると伝えました。「nắn dòng」は、総量を大きく変えずに資金の向かう先を選別的に調整する政策手法を指す表現です。SBVは、党・国家の方針や所管当局の政策に沿った不動産分野への融資の環境を整えることが目的だと説明しています。CafeFによると、2026年のシステム全体の信用成長率の目標は約15%とされています。
不動産向け信用の現状
VietstockとVnEconomyによると、ベトナムの不動産向け信用残高は2026年6月末時点で約5,146兆ドンで、2025年末比8.3%増、金融システム全体の信用残高の25.5%を占めています。今回の公文書は、こうした不動産向け信用の管理を続けながら、観光関連の融資を切り分けて扱う位置づけとなります。報道によると、今回の調整は、観光振興を経済成長の柱に位置づける政治局の決議26-NQ/TW号など、一連の政策の流れに沿ったものとされています。