2026年9月、ベトナムで金融・市場に関わる複数の新しい規制が相次いで施行されます。暗号資産(仮想資産)市場の行政罰則を定める政令や、商品取引所の設立要件を厳格化する政令、税務分野の通達を整理する財務省通達などが含まれます。
暗号資産市場に行政罰則を導入する政令284号
政府が2026年7月16日に公布した政令284/2026/ND-CPは、2026年9月1日に施行されます。同政令は、暗号資産および暗号資産市場に関する行政違反への罰則を定めるもので、罰金の上限を組織に対して2億ドン、個人に対して1億ドンと規定しています。無許可で暗号資産サービスを提供する行為や虚偽の勧誘に対して適用され、無許可で暗号資産取引所を運営した場合には1億8,000万〜2億ドンの罰金が科される規定も設けられています。
ここでいう「暗号資産(ベトナム語で tài sản mã hóa)」は、ブロックチェーン等の技術を用いてデジタルに記録・移転される資産を指します。ベトナムは近年、暗号資産市場を法的な枠組みの中に位置づける制度整備を進めており、本政令はその一環と位置づけられています。
商品取引所の設立要件を定める政令302号
2026年8月1日公布の政令302/2026/ND-CPは、2026年9月15日に施行されます。同政令は商品取引所(Sở giao dịch hàng hóa)の設立・運営条件を定めるもので、最低法定資本を1兆5,000億ドン以上とすることや、外国人投資家の出資比率を49%以下に制限することを規定しています。加えて、安全なITインフラの整備や、国内商品の上場に向けたロードマップの提示も求められます。
税務通達22件を廃止する財務省通達110号
財務省が公布した通達110/2026/TT-BTCは、2026年9月12日に施行されます。同通達は、財務大臣が過去に発出した税務分野の通達22件と決定3件を全面的に廃止するもので、ソフトウェア関連の優遇措置や土地税に関する古い規定など、現行制度と整合しなくなった文書を整理する内容です。
これらの新規制は、ベトナム政府が進める金融・資本市場の制度整備の一環に位置づけられます。施行日や適用範囲、罰則の詳細は今後の運用で明確化される部分もあるため、実務上の取り扱いは各当局の公式発表をあわせてご確認ください。