2026年8月13日、レ・ミン・フン首相は主要銀行との会合を開き、ベトナム国家銀行(SBV)に対し金利・為替・信用の柔軟な運営を指示しました。SBVも翌14日、年後半の運営方針を明らかにしています。ベトナムがFTSEラッセルによる市場格上げを控えるなか、政策当局は金融環境の安定を重視する姿勢を示しました。
首相、貸出金利の引き下げと信用の柔軟運営を指示
CafeFによると、8月13日の会合でレ・ミン・フン首相は、現行の政策金利水準を維持しつつ市場の流動性を高め、コスト削減を通じて貸出金利を実質的に引き下げるよう金融機関に求めました。信用については、2026年の信用成長目標を「厳格に固定した上限(ハードシーリング)」とはみなさず、実際の経済状況に応じて柔軟かつ主体的に運営する方針が示されました。資金は生産・輸出・ハイテク・中小企業支援・農業・住宅・インフラといった優先分野に、適切な時期と目的で振り向けるよう指示しています。為替については、市場動向に沿った柔軟な運営と、必要に応じた介入により外国為替市場を安定させる考えが示されました。
SBV、金利引き下げの実行度に応じて2027年の信用枠を配分
翌8月14日にCafeFが報じたSBVの運営方針によると、ファム・ドゥック・アン総裁が主宰した会合で、SBVは適切な水準の政策金利を維持し、各銀行に対して利益を分かち合い貸出金利を引き下げるよう促す方針を確認しました。特に注目されるのは信用成長枠(TTTD)の配分方針で、SBVは2027年の信用成長枠を、金利引き下げに関するSBVの指示への各金融機関の遵守状況を踏まえて検討するとし、指示に従わない金融機関には枠を縮小すると明言しました。「信用成長枠(TTTD)」は、SBVが各金融機関に年間の与信残高の伸び率の上限を割り当てる制度です。為替と金市場についても、実勢に即した柔軟な管理を続けるとしています。
格上げを控えた金融環境の安定重視
一連の方針は、2026年9月に予定されるFTSEラッセルによるベトナム市場の二次新興国市場への格上げを前に示されました。政策当局は金利・為替・信用・金市場の各分野で、成長を下支えしつつマクロ経済の安定を保つ運営を強調しています。なお、上記の指示・方針はいずれも会合での発言や当局の説明に基づくものであり、具体的な数値目標や制度改正の詳細は今後の正式な決定・通達で確定します。