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HOSE・HNX・UPCoMとは — ベトナム3市場の違いと特徴

ベトナム株について調べていくと、「HOSE」「HNX」「UPCoM」という3つの市場の名前に必ず出会います。それぞれ規模・上場基準・取引対象が異なり、同じ「ベトナム上場株」でもどの市場に上場しているかで性格が変わります。本記事では、この3市場の位置付けと主要指数を、公式情報の枠組みベースで整理します。特定銘柄の売買判断や指数水準の予測は扱いません。

結論

ベトナムには現在、2つの証券取引所(HOSE・HNX)と、その下に位置する未上場株の集中取引市場(UPCoM)の合計3つの公的な株式取引市場があります。HOSEは時価総額・流動性とも最大で大型主要銘柄が中心、HNXは中小型銘柄を中心とする市場、UPCoMは正式上場の前段階または上場基準を満たさない公開企業株が取引される市場、という位置付けです。代表指数はHOSEのVN-Index、HNXのHNX-Index、そしてUPCoM-Indexで、ベトナム株式市場全体を俯瞰するときはこの3つを併せて見るのが一般的です。

3つの市場の概要

ベトナムの株式市場は、ベトナム国家証券委員会(State Securities Commission of Vietnam、以下SSC)が監督官庁となり、その下で2つの取引所と1つの集中取引市場が運営される構造になっています(出典:State Securities Commission of Vietnam 公式、2026年6月時点)。なお、上場企業数や時価総額などの具体的な数値は日々変動するため、最新値はHOSE・HNX公式サイトでご確認ください。

HOSE(ホーチミン証券取引所)— 大型・主要市場

HOSE(Ho Chi Minh Stock Exchange、ベトナム語:Sở Giao dịch Chứng khoán Thành phố Hồ Chí Minh)は、ホーチミン市に拠点を置くベトナム最大の証券取引所です(出典:HOSE 公式、2026年6月時点)。

ベトナム株式市場全体の時価総額の大部分はHOSE上場銘柄が占めており、銀行・不動産・小売・素材など主要セクターの代表的な大型銘柄はHOSEに集中しています。後述する代表的な株価指数「VN-Index」「VN30」もHOSEが算出する指数です。

HOSEの上場基準は、HNXに比べて株主資本・利益実績・株主分散などの面で相対的に厳しめに設定されているのが一般的な整理です。具体的な要件は規制改正により変わるため、正確な最新基準はHOSE公式または証券法・施行細則をご確認ください。

HNX(ハノイ証券取引所)— 中小型市場・債券・UPCoM運営

HNX(Hanoi Stock Exchange)は、ハノイに拠点を置く証券取引所です(出典:HNX 公式(英語)、2026年6月時点)。

HNXの上場銘柄は、HOSEと比べると中小型の銘柄が中心です。また、HNXは株式市場の運営に加えて、ベトナムの債券市場の取引プラットフォームや、後述するUPCoM市場の運営主体としての役割も担っているのが大きな特徴です。

HNXの上場基準は、HOSEよりも相対的にハードルが低めに設定されているのが一般的な整理ですが、正確な要件はHNX公式および証券法・施行細則をご確認ください。

UPCoM — 公開企業株の集中取引市場

UPCoM(Unlisted Public Company Market)は、HNXが運営する「正式に上場はしていないが、株式が公開されている企業(Public Company)」の株式を集中取引する市場です(出典:HNX 公式(英語)、2026年6月時点)。

UPCoMは、HOSEやHNXの正式上場基準を満たさない公開企業や、正式上場前の準備段階にある企業、もしくは国有企業の株式公開(Equitization)の過程にある企業などの株式が取引される位置付けです。一般に、HOSE・HNXに比べると流動性が低く、情報開示の頻度や基準も上場市場とは異なるため、価格変動やスプレッドの面で性格が大きく異なる点に留意が必要です。

3市場の大まかな位置付けは次のとおりです。

市場運営主体主な上場銘柄の性格代表指数
HOSEHo Chi Minh Stock Exchange大型主要銘柄が中心VN-Index、VN30
HNXHanoi Stock Exchange中小型銘柄が中心、債券市場も運営HNX-Index、HNX30
UPCoMHNXが運営未上場の公開企業株、上場準備段階の企業などUPCoM-Index

上場企業数は規制改正や新規上場・上場廃止により変動するため、最新の銘柄数はHOSE・HNX各公式サイトの一覧でご確認ください。

取引時間・取引日

ベトナムの株式市場は、ベトナム時間(UTC+7)で平日に取引が行われ、午前・午後の2つのセッションに分かれた取引時間が設定されているのが一般的です。HOSE・HNX・UPCoMで取引時間や約定方式(連続取引、寄り付き/引けの集中約定など)の細部は市場ごとに異なる運用がなされています。

各市場の取引時間・休憩時間、約定方式(コール・オークション、コンティニュアス・オーダー・マッチング等)、注文単位、価格制限幅などの正確な仕様は時期により改定されることがあるため、本記事では具体的な時刻表記は割愛します。最新の取引時間と取引日カレンダーは、HOSE公式、HNX公式、または利用する証券会社の公式情報でご確認ください。

なお、ベトナムの取引日は、テト(旧正月)など現地の祝祭日に応じて日本市場とは異なるカレンダーで休場します。日本在住の方が現地時間ベースで注文を出す場合は、現地祝祭日カレンダーの確認をおすすめします。

主要指数

ベトナム株式市場を俯瞰する際に最もよく参照される代表的な指数を整理します。指数水準は日々変動するため、本記事では具体的な点数は記載しません。最新の指数水準はHOSE・HNX公式サイト、または利用中の証券会社の取引画面でご確認ください。

VN-Index(HOSE)

VN-Indexは、HOSEに上場する全銘柄を対象とした時価総額加重平均指数で、ベトナム株式市場全体を代表する最も知名度の高い指数です(出典:HOSE 公式、2026年6月時点)。海外メディアや一般的な経済ニュースで「ベトナム株が〇%上昇/下落」と報じられる際の参照指数は、多くの場合このVN-Indexです。

VN-Indexは1998年〜2000年頃を基準時点とする伝統的な構成で算出されており、HOSE上場銘柄全体の動きを反映します。

VN30

VN30は、HOSE上場銘柄のうち、時価総額・流動性などの基準で選ばれた代表的な30銘柄を構成銘柄とする指数です(出典:HOSE 公式、2026年6月時点)。ベトナムの主力大型株のパフォーマンスを把握する代表指数として参照されます。

VN30は、VN30指数連動のETFや、HNXで取引されるVN30先物(株価指数先物)のベースとなるなど、デリバティブ市場とも結びついた指数です。本記事ではVN30の特定構成銘柄の評価や売買判断は扱いません。

HNX-Index、HNX30

HNX-Indexは、HNX上場銘柄を対象とした時価総額加重平均指数です(出典:HNX 公式(英語)、2026年6月時点)。HOSEのVN-Indexと並ぶ位置付けですが、対象がHNX上場銘柄である点で性格が異なります。

HNX30は、HNX上場銘柄のうち代表的な30銘柄を構成銘柄とする指数で、HNX市場の中型・主力銘柄の動きを示します。

UPCoM-Index

UPCoM-Indexは、UPCoMで取引される銘柄を対象とした指数で、未上場公開企業株式市場全体の動きを示す参照値として利用されます(出典:HNX 公式(英語)、2026年6月時点)。

UPCoMは流動性が市場ごとに大きく異なるため、UPCoM-Indexの動きは一部の流動性の高い銘柄に影響されやすい点が特徴です。

外国人投資家にとっての論点

ベトナム3市場に外国人投資家が参加する際は、市場の規模感だけでなく、いくつかの制度的な論点が共通で関わってきます。

外国人投資家コードと取引フロー

外国人投資家がベトナム株を取引するには、ベトナム証券保管・決済機関(VSDC)から付与される「Securities Trading Code」が前提となります。VSDC公式サイトでは、外国人個人・機関投資家がベトナム証券市場に投資する際にVSDCに申請する旨が明示されています(出典:VSDC 公式(英語)、2026年6月時点)。実務上は、現地の証券会社を経由してコードを取得し、HOSE・HNX・UPCoMいずれの市場でもこのコードに紐づけて取引する形が一般的です。

外国人保有比率の制限(一般論)

ベトナムでは、上場銘柄ごとに外国人投資家が保有できる比率に上限が設定されている運用が一般的です。上限は業種や個別企業の事情によって異なり、金融・通信など外資規制が強い業種では低めの水準、規制対象でない業種では緩和される傾向があります。

具体的な上限値や、銘柄ごとの「Foreign Room(外国人保有枠の残量)」は時期により変動し、上限に達した銘柄は外国人による新規買い付けが制限される運用となります。個別銘柄の外国人保有上限と残枠の最新情報は、HOSE・HNX公式や利用中の証券会社の取引画面でご確認ください。

流動性と価格変動の性格

HOSE・HNX・UPCoMはそれぞれ上場銘柄の規模感が異なるため、同じ「ベトナム株」でも流動性・スプレッド・板の厚みは市場ごとに大きく性格が異なります。一般論として、HOSEの大型銘柄は流動性が高く板が厚いのに対し、HNXの中小型銘柄・UPCoM銘柄は相対的に流動性が低く、価格変動が大きくなりやすい傾向があります。

本記事では特定の市場・銘柄について「投資妙味がある/ない」といった評価は行いません。市場ごとの性格を踏まえたうえで、ご自身の投資方針に合うかを各種公式情報で確認することをおすすめします。

新興市場・FTSE分類の論点

ベトナム株式市場は、グローバル指数プロバイダー(FTSE Russell、MSCIなど)の市場分類において、長らく「フロンティアマーケット」に位置付けられてきた経緯があります。新興国(エマージング)へのステータス見直し議論については時期により進展状況が変わるため、本記事では具体的なステータスや時期については割愛します。最新の分類状況については各指数プロバイダーの公式発表をご確認ください。

関連用語

  • VN-Index:HOSE上場全銘柄を対象とした時価総額加重平均指数。ベトナム株式市場の代表指数
  • VN30:HOSE上場銘柄のうち代表的な30銘柄で構成される指数。ETFや先物のベース
  • HNX-Index:HNX上場全銘柄を対象とした指数
  • UPCoM-Index:UPCoMで取引される銘柄を対象とした指数
  • Securities Trading Code:外国人投資家がベトナム株を取引するためにVSDCから付与されるコード
  • Foreign Room:個別銘柄ごとに設定された外国人保有上限の残枠
  • Equitization:ベトナムの国有企業の株式化(民営化に近い概念)。UPCoMはこの過程の銘柄が取引される場面で参照される

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ご注意

投資判断について

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄・金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。本記事の内容に基づき被ったいかなる損失についても、運営者は責任を負いかねます。

最新の制度・手数料・取引時間等は、必ず各社の公式サイトおよび関係当局の公式発表をご確認ください。

市場データの取得時点について

本記事に記載した指数・株価・出来高・手数料等の数値は、記事内に明記した取得時点のものです。市場データは日々変動するため、最新の数値は HOSE(ホーチミン証券取引所)、HNX(ハノイ証券取引所)等の公式情報、または利用中の証券会社の取引画面をご確認ください。

出典

本文中で参照した一次情報の取得時点はいずれも2026年6月12日です。

  1. Ho Chi Minh Stock Exchange(HOSE)公式 — HOSEの市場運営・上場銘柄・指数算出主体
  2. Hanoi Stock Exchange(HNX)公式(英語) — HNXの市場運営、UPCoM運営、債券市場運営
  3. State Securities Commission of Vietnam(SSC)公式 — ベトナム証券市場の監督官庁
  4. Vietnam Securities Depository and Clearing Corporation(VSDC)公式(英語) — 外国人投資家向けSecurities Trading Code
  5. JETRO — ベトナム基礎情報 — ベトナム経済・市場の基礎情報

出典

  1. Ho Chi Minh Stock Exchange(HOSE)公式 (2026年6月12日 取得)
  2. Hanoi Stock Exchange(HNX)公式(英語) (2026年6月12日 取得)
  3. State Securities Commission of Vietnam(SSC)公式 (2026年6月12日 取得)
  4. Vietnam Securities Depository and Clearing Corporation(VSDC)公式(英語) (2026年6月12日 取得)
  5. JETRO — ベトナム基礎情報 (2026年6月12日 取得)