税務
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配当・キャピタルゲインの源泉徴収税 — 計算例

ベトナム株式投資の税務は、配当受取時と売却時の 2 段階で発生します。居住者・非居住者で適用税率や控除の仕組みが異なり、日本居住者については日越租税条約と日本の所得税法(外国税額控除)が関わってくるため、複層的な理解が必要です。本記事では、ベトナム個人所得税法(Personal Income Tax、PIT)の枠組みを公式情報ベースで整理し、簡単な計算例を示します。具体的な個別申告は税理士または国税庁・GDT の最新情報をご確認ください。

ベトナム側の源泉徴収税(PIT)の枠組み

ベトナム個人所得税法(PIT)の現行枠組みでは、株式関連所得に対して以下の税率が適用されます(出典:GDT 公式MoF 公式、2026 年 6 月時点)。

所得種別居住者非居住者
配当所得5%5%
株式売却譲渡益(売却価額ベース)0.1%0.1%
利息所得(債券・預金)5%5%

譲渡益課税は「売却価額の 0.1%」が源泉徴収される方式で、含み益・含み損に関係なく約定価額に対して定率課税される点が特徴です(利益ベースではない)。配当には別途 5% が源泉徴収されます。

計算例:日本在住の非居住者ケース

例:日本居住者が VCB 株式を 100,000,000 VND で売却し、年間配当 1,000,000 VND を受け取ったケース。

項目計算税額
譲渡益課税(売却額の 0.1%)100,000,000 × 0.1%100,000 VND
配当課税(5%)1,000,000 × 5%50,000 VND
ベトナム源泉徴収額合計150,000 VND

源泉徴収後の手取額は売却 99,900,000 VND + 配当 950,000 VND = 計 100,850,000 VND となります。源泉徴収は証券会社が自動的に行うため、ベトナム側で別途確定申告は不要です(出典:GDT 公式、2026 年 6 月時点)。

日本側の課税:外国税額控除

日本居住者の場合、ベトナム株の譲渡益・配当も日本の所得税の課税対象となります。ベトナムで既に納付した源泉徴収税は、日本での確定申告時に 外国税額控除 として一定の範囲で日本の所得税から控除できます(出典:国税庁タックスアンサー No.1240、2026 年 6 月時点)。

ただし、配当については日越租税条約による軽減税率(5%)が既に適用されており、控除対象額の計算は次のように行います:

外国税額控除限度額 = 日本の所得税額 × (国外所得 / 全所得)

譲渡益については、ベトナムでは「売却額の 0.1%」のみ徴収されるため、控除原資が小さくなりがちです。一方、日本での売却益課税は通常の 20.315%(所得税 15% + 復興 0.315% + 住民税 5%)が適用されます。

計算例:日本居住者の日本側申告

例:上記のベトナム VCB 株式売却で 譲渡益が 10,000,000 VND(約 60,000 円相当) 発生したケース(為替 1 VND = 0.006 円で換算)。

項目金額備考
譲渡益60,000 円為替換算後
日本側譲渡益税(20.315%)12,189 円申告分離課税
ベトナム源泉徴収(0.1%)600 円外国税額控除対象
日本側納付額(控除後)11,589 円概算

実際には為替差損益や取得費の特定方法(移動平均法・先入先出法)により最終的な税額が変動するため、税理士へのご相談を推奨します。

ベトナム在住の日本人(非居住者)の留意点

ベトナムに 183 日以上滞在し税法上のベトナム居住者と認定されると、原則として全世界所得課税の対象になります。ただし、株式投資の譲渡益・配当については居住者・非居住者で税率は同じ(譲渡 0.1%、配当 5%)です。

ベトナム居住者として認定される場合の手続き詳細は、「在住者向けのベトナム税務基礎」 もあわせてご参照ください。

注意点

  1. 税率改正の可能性:PIT の税率は定期的に見直されるため、最新の GDT 公式情報を必ずご確認ください
  2. 証券会社経由の自動徴収:ベトナム現地の証券会社経由の場合は源泉徴収が自動。日本の証券会社(SBI・アイザワ等)経由の場合は徴収方式が異なる
  3. 個別ケースは税理士へ:本記事は一般情報です。個別の申告は税理士・国税庁・GDT にご確認ください

出典

  1. ベトナム税務総局(GDT)公式 (2026年6月27日 取得)
  2. 国税庁(日本)公式 (2026年6月27日 取得)
  3. JETRO — ベトナム基礎情報 (2026年6月27日 取得)
  4. ベトナム財務省(MoF)公式 (2026年6月27日 取得)

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